本学大学院生が国際永久凍土学会主催国際会議「12th International Conference on Permafrost」で研究発表を行いました
6月16日(日)~20日(木)、ホワイトホース(カナダ)で開催された国際永久凍土学会主催国際会議「12th International Conference on Permafrost(ICOP2024)」において、本学大学院生のULAMBAYAR GANBOLD(ウランバヤル ガンボルド)さん(博士後期課程 共創工学専攻2年、指導教員:中村大教授)が研究発表を行いました。
ウランバヤルさんは、独立行政法人 国際協力機構(JICA)「道路アセットマネジメントプラットフォーム(RAMP:Road Asset Management Platform)」の長期研修員として、2023年4月から本学で研究生活を送っています。
今回の発表では、モンゴル国ウランバートル市において近年大きな問題となっている、アウフェイス(層状の氷塊)に関する研究事例について成果報告しました。ウランバートル市では毎年、河川周辺において冬期に多量の氷塊が発生し、その撤去に莫大な費用がかかっており、市の財政を逼迫させる要因となっています。
この氷塊を撤去せずに放置して春を迎えた場合、氷塊が融解して多量の水が発生し、洪水を引き起こす原因となります。氷塊はゲル地区にも流入しており、そこに住む人々は住居を失い、移住を余儀なくされています。
このアウフェイスの発生メカニズムを明らかにするため、ウランバヤルさんはブムバット地区に気象観測機器を設置し、地中温度等の継続的な観測を実施しています。
また、定期的に電気探査を実施して地盤性状の長期的な変化を把握したり、UAVを用いて、発生した氷塊の量を写真測量することも試みています。今後は以上の観測で得られた知見をもとに、アウフェイスの対策を立案することに取り組んでいきます。
なお、本研究の成果は、本学の地域と歩む防災研究センター(SAFER)と連携協定を結んでいるモンゴル地理学?地生態学研究所(Institute of Geography and Geoecology)の共同研究によって得られたものです。今後もSAFERでは、モンゴル国の社会問題の解決に協力していきます。
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【研修コース】モンゴル長期研修員が国際永久凍土学会で発表(外部リンク:JICAウェブサイト)